No Pain, No Gain

気がつけば不惑、それでも今日も絶賛迷走中。

子供に読ませることをためらう恐怖の絵本(今月の絵本/2015年5月)

これまでの絵本シリーズ

今月の絵本(2014年3月) - No Pain, No Gain

今月の絵本(2014年4月) - No Pain, No Gain

子供に読んで不覚にも泣けた絵本(今月の絵本 特別編-2014年5月) - No Pain, No Gain

親子で爆笑必至!カオスすぎる超絶絵本。 - No Pain, No Gain

心が温かくなる絵本たち(今月の絵本-2015年4月) - No Pain, No Gain

 

今月の絵本は「ゼラルダと人食い鬼」。

ゼラルダと人喰い鬼 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ゼラルダと人喰い鬼 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

 

ナイフを持ったヒゲ面のオッサン(以下ヒゲ)が幼気な女の子(以下幼女)を抱え込んで酒を飲んでいるという驚きの表紙絵。

ネタバレするけど、ヒゲは普段子供を主食としていて、たまたま食おうとした幼女に美味しい料理を食べさせてもらって自宅に囲うという話。

この話僕自身はとても気味悪く、人には全くお勧め出来ない。読むな!と言いたい。

 

気味悪い点1-ヒゲ(食人鬼=殺人鬼)に罰が与えられない

子供を誘拐して食べるという鬼畜特性の主人公は幼女と結婚して幸せな家庭を築く。

待て、と言わざるを得ない。

食われた子供が報われなすぎるし、人殺しでしょこの人。何幸せになっちゃってんの。最後のシーンで子供達に赤い飴を配ってんだけど、飴で赦されんの?殺人て。

子供が読む絵本全てが勧善懲悪の分かりやすいものがいい、という訳ではないが、この話を強烈にすり込まれた子供の価値観は普通の人のそれと相当乖離するはず。

 

気味悪い点2ー幼女の自己実現欲が半端ない

幼女は病気の父に代わって、街の市場でブタや果物を売りに行く途中にヒゲと出会い、彼の家では大好きな料理が思う存分できる!ということで、見ず知らずの中年男性宅に住み着く。

住み着いた後はヒゲの友人も含めて料理を振る舞い続け、ヒゲと結婚し子作りにも励む。

奇妙過ぎるのが、最初に父親が出てきた後、最後まで「親が恋しい」とか「病気の父はどうしているのかしら?」の表現は一切なし。病気の父を思って市場に出たんじゃなかったの?逃走の機会を伺ってたの?

更に、ヒゲを愛するに到る経緯が完全に省略されていて、唐突に2人は結ばれてしまうので、読者の置いてけぼり感が半端ない。

欲望(=料理)を満たすためならば、親がどうなろうと知ったこっちゃないし、誰と結ばれようと構いやしない、という幼女の純度の高い欲深さがやたらと目立つ。自己実現ってのはそういうもんですかね?

 

気味悪い点3ー現実の監禁事件を想起させる

この絵本ではたまたま幼女は自分の意思によってヒゲの家に住みつくのだけど、現実世界でも国の内外問わずオッサンによって女性が何年も監禁される凄惨な事件がたまにある。そういう事件を起こすような輩がこの絵本を読んだとしたら、きっとヒゲに共感して、この話のハッピーエンドにうっとりするんだろう。

 

一言でまとめると、「頭のイカれた幼女趣味のオッサンの自分の理想」を恥ずかしげもなくさらけ出していて、真剣に気持ち悪い絵本となっている。

以上のようににこの絵本には不穏な空気がつきまとっているので、僕自身読みたくないし、子供にも読んであげたくない。当の子供はあんまり気にしていないようではあるが。(マジでこの本を配本してきた童話館出版にはその趣旨を確認したい)

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