No Pain, No Gain

気がつけば不惑、それでも今日も絶賛迷走中。

子供達の力を借りても親は無力

 一昨日のエントリーでは少子高齢化を食い止めるためには「(世帯収入を増やして子供を持つ世帯を増やすために)老人世代から現役世代への富の移転が必要」「(富の移転を可能にする制度づくりのために)現役世代の声を政治に反映する仕組み」が必要だと書いた。

nopain-nogain.hateblo.jp

 

「後者の現役世代の声を政治に反映する仕組み」として、未成年にも選挙権を与えて、子供を持つ親たち現役世代が代理で権利行使出来ればいいのでは?と考えたのだけど、既にこれについて考えている人がいた。d.hatena.ne.jp

様々なデータを使いながら「思考実験」されていたので、僕も改めて未成年の選挙権を現役世代に与えることの効果について検証してみることにした。

データを見ながら改めて考えてみる。

平成27年4月1日の人口推計値(概算値)によると、10代未満+10代の合計は22百万人(全人口に占める比率17%)。

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データ元:総務省統計局「人口推計値」より作成

20~40代の世代を未成年者を育てている現役世代と仮定すると、現役世代以下の世代が総人口の過半を占めていることになる。

未成年世代に選挙権を付与し、現役世親権者に選挙権行使を委託すると仮定すると、民主主義の過半数の原則から言えば、現役世代の声を政治に反映することができると言えそうだ。ここまでは前回のエントリーで意図した通り。

 

ただ、上のブログの締めには気になることが書いてあった。

 

はたして未成年者の親権者達は本当に子供達のための投票行為を行うのだろうか

 

ここで、国政選挙における投票率を見てみる。

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データ元:総務省HP(総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について)より作成

現役世代の投票率が軒並み低い...。

 

上記の年代別人口推計と年代別投票率から「年代別得票比率」を試算してみる。年代別の国政選挙における影響率と考えていい。

f:id:yuji000:20150515142556j:plainデータ元:年代別人口推計と年代別投票率より試算

左の円グラフが実際の値。右側は仮に未成年者の選挙権を現役世代に按分した場合なのだが、現役世代は人口比で過半数を占めていたにも関わらず、国政における影響力という意味では、仮に未成年に選挙権を付与したとしても、現役世代の投票率が現状のままでは過半を占めることが出来ない。つまり、現役世代は子供の力を借りても現状を変える力がない(乏しい)のだ。

従って、現役世代が自分たちにとって不利益(と思われる)制度対して不満があるなら、Yahoo!ニュースにコメントしたり、Twitterで不平を垂れ流したり、はてなブログを炎上させたりしているだけでなく、とにかく選挙に行かなければ話にならない。

 

上の年代別投票率を見ると平成21年の衆院選では現役世代の対前回投票率改善幅が大きくなっている。これは、「子ども手当」のような現役世代に訴求する公約の影響もあるはず。結局、子ども手当が減額され、その後の政権の迷走ぶり等々もあって、今は反動減となっているだけのかもしれないが。

 

現役の皆様方、このままじゃ不利益な状態を改善できず、負担は増すばかりですよー、自分たちの手で変えていかないとまずいですよー、と言いつつ、既にだいぶまずい雰囲気なので個人的には日本脱出も視野に入れたいところ。うーむ悩ましい。