No Pain, No Gain

気がつけば不惑、それでも今日も絶賛迷走中。

生涯独身と決めた!!その日からやっておくべきいくつかのこと

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photo by Nick Kenrick .

おぎゃー。
赤ちゃんは独りでこの世に出てきたことが悲しくて泣く、人は生まれてくる時も、死んでいくときも独り、と言う人がいる。
それは悲しいことなのか。独りは悲しいことなのか。
 
在り方の問題だと、僕は思う。
 
とそれっぽく書いたところで、おもむろに本題に入っていくことにする。

多分独りにならないと思っている僕の境遇

僕は結婚していて、2人の子供がいる。親もいて、兄弟もいて関係は良好だ。僕自身はこの境遇にとても満足している。
 
他方、周りを見渡すと40歳を過ぎたけれども結婚していないし、彼氏や彼女がいない(ように見える)人も、案外少なからずいる。
そしてこれらの人達は傍目に見てそこそこ境遇に満足しているように見える。
どっちが良いということも一概には言えないし、言うつもりもない。
 
生き方、そして逝き方が違う、ということに過ぎない。
 
僕自身は今の状態から一気に天涯孤独になるということはなかなかありえない。あまり考えたくないけど、何かとんでもない事故や災害が起きて自分だけ生き残るとか、FXに全財産ぶっ込んで離婚事由に該当して、三コスリ半とか三行半でも突きつけられる事でも無い限り、独りぼっちになることはないと思われる。
 
ただ、なかなかあり得ないことではあるけれど、全くないとも言い切れない。
ずっと独りで生きてきた人に比べて、ある日突然孤独になってしまったときのことを考えると、狼狽するなんてもんじゃなく、茫然自失になることが想定されるので、念のためではあるが、勝手に「独りで生きていくこと」について想像してみる。
 

独りで生きていくこととはどういうことか?

自分のものは全て自分のもの
かの剛田武さんも言ってました。「お前の物は俺の物。俺の物は俺の物」
前段はコンプライアンス的にもどうなのか?という問題を内包しているものの、大切なのは後段の部分。剛田某はすごく当たり前のことを言っているように思われるが、結婚して子供が出来ると、自分の物が自分の物では無くなる、ということがままある。というか、日常茶飯事。なんという不思議!
自分が稼いだお金は家族を養うために使われて、お金を稼ぐために自分の時間が削られる。余暇?ふざけたこといってんじゃないよ!寝言は寝てから言え!と。
 
これに対して、結婚せず、子供もおらず、彼氏や彼女もいなければ、時間も金も全てが自分に帰属する。いかように処分しても構わない。
例えば、一日中全裸で(半裸でも可)部屋の中でネトゲをしていても誰にも何にも言われない(理解のある家庭もあるかもしれないが)。
長期休暇にモルディブのホテルに1週間泊まろうが誰も何も言わない(ざっくり100万くらいかかる。新婚旅行ならいざ知らず、一般的なサラリーマン家庭で子供が3人もいたら、実現が困難なラインだ)。これを自由と言わずして何と言おうか。
 
自分1人で自分を支えなくてはならない
自分のものが自分のものというのは、なにも良いことばかりではない。大変なことも、1人じゃ抱えきれないような問題も全部自分1人で立ち向かわなければならない。
すんごい卑近な例として、病気。
インフルエンザにかかって、40℃近い高熱が出てフラフラの状態になったとしても、誰も氷嚢を準備してくれないし、食事を作ってくれる人もいない。倒れそうな身体を何とか支えて病院に行かなくてはいけないし、栄養を取るべくご飯の準備をしなくちゃならない。
なかなかの無理ゲーっぽい。
 

独りで生きることを決めたらやっておくべき事

1)水や食料は少なくとも1週間くらい備蓄しておこう
さっきの病気の話でもあったけど、外に出ることも出来ないような状態に陥っても餓死しないようにしないといけない。独りで生きることはサバイバルみたいなものだ。
 
2)お金を貯めよう
独りで生きるあなたのかけがえのない支えはお金。どのくらい貯めたらいいのか分からない?とりあえず稼ぎの半分くらい貯めておいてもバチは当たらない。家事をアウトソースしたり、介護してもらったり、とにかく独りで生きるのならお金がまず大切。
 
3)終の棲家を構える準備をしよう
お金の話に絡むけれど、高齢者で連帯保証人なしというような状況になると賃貸住宅に入るのは至難の業(貸し手の立場で考えたら分かる。そういう人はリスクが高いので貸したくない)。自分の家があれば誰かに追い出されたりすることはない。借家でも賃借人の立場は強いのでそうそう追い出されることは無いけど、所有権に勝るものはない。そのためにもお金を貯めた方が良いのだ。
 
4)(特に近所に)知り合いを増やそう
何かあった時に気づいてもらえるかもしれない、もらえないかもしれないが。何よりおひとりさまライフを充実させる方法の1つでもある。
 
5)死んだ時の諸手続について認識しておこう
死んだら三途の川を渡ってこの世とはオサラバとなるものの、この世ではその後色々と面倒なことが発生する。
死亡届は?家財道具の処分は?親族や関係者への連絡はどうするのか?などなど。
「そんなこと知らん」というのもあるにはあるが、ちと身勝手。
例えば、ひっそりと家で孤独死した場合で、親族等に遺体を引き渡せなければ、税金で火葬されて納骨されることになる。最期の最期まで誰かに世話をかけっぱなしと言うのは孤高のおひとりさまとしてあまり美しくない最期だ。
 
こういうことを避けるために「死後事務委任契約」という契約が存在する。
通常委任契約というのは本人が死亡すると契約が終わってしまうのだが、この死後事務委任契約というのは当事者間の合意で死亡後も委任契約に効力を持たせて、様々な事務手続を行ってもらうことが出来るのだ。
できることは以下の事項。
 
1)医療費の支払いに関する事務
2)家賃・地代・管理費等の支払いと敷金・保証金等の支払いに関する事務
3)老人ホーム等の施設利用料の支払いと入居一時金等の受領に関する事務
4)通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
5)菩提寺の選定、墓石建立に関する事務
6)永代供養に関する事務
7)相続財産管理人の選任申立手続に関する事務
8)賃借建物明渡しに関する事務
9)行政官庁等への諸届け事務
10)以上の各事務に関する費用の支払い
 実際に誰か(知人や行政書士*1)と死後事務委任契約を結ぶ必要は無くて、とりあえず上記の事項があなたが死んだ後に誰かがやらねばならないことだと認識しておいた方が良い。
 
他にもいろいろあるような気はするけど、とりあえずここまで。
 

あとがき

健康なうちは独りで自由を謳歌するってのは悪くないんだけど、身体が弱ってくると誰が面倒見てくれるんだろうか?と不安が常につきまとう。だから、「家庭」というセーフティネットを築くっていうのは、束縛という対価が必要だけれど、それはそれで悪くないと僕は思う(ので結婚して子供も作っている)。
「投資に見合わない」という人がいるのも分からんでもないが。
あと、ジャイアンみたいなヤツは普通に結婚して奥さんに全て召し上げられちゃうタイプだと思う。