子供に読んで不覚にも泣けた絵本(今月の絵本 特別編-2014年5月)
末っ子と長男のイメージ
・ワガママ、マイペース
・優柔不断
・計算高い
世の中の「末っ子」に対するイメージは概ねこんな感じじゃないだろうか。
これに対して、長男・長女に対するイメージというのはこんな感じでは?
・真面目でしっかりしている
・面倒見がよい
・我慢強い
・不器用
現在2人の男子を育てているが、悲しいかな長男くん(4)の気持ちが分かってあげられないことがままある。なにせ、夫婦2人とも末っ子。
さっきの末っ子のイメージもまさに自分たちを表しているなあと思う。(いや、俺は違う!!という末っ子の方、そういう我の強さも末っ子ならでは、ですよ)
4歳にして我々夫婦も見たことのない茨の道のりを歩む長男
それまでの3年間は父からも母からも一心に愛を注がれて、我が世の春を謳歌していたのに、ある日突然弟という闖入者がやってきて、父や母の興味をほしいままにしているのだ。
悲しいこともあるだろう、寂しいこともあるだろう、だろうだろうと推測はできるものの、真にどんな気持ちなのかはわからないのだよなあ。
と、いう時にたまたま読んだのがこの本。
(毎度の事ながら童話館出版のぶっくくらぶの配本です)
- 作者: キャスリーンアンホールト,Catherine Anholt,星川菜津代
- 出版社/メーカー: 童話館
- 発売日: 1994/06
- メディア: 単行本
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弟が生まれた前後におけるお姉ちゃんの心情がよく描かれていて胸を衝かれた。
あらすじ
弟ができたとパパに聞かされても、一体どういうことなのかよく分からなかった。
弟が生まれるなんて幸せね!!って言われても、私には想像もつかない。
生まれた赤ちゃんは潰れた苺みたいで、幸せなんて実感が湧かない。
そして、
でも ときどき わたし、ぜんぜん しあわせと おもわないときもあったわ。
私は我慢することを強いられて、赤ちゃんは奔放に過ごしているように見える。
赤ちゃんは私の遊び相手になれないし、パパやママは赤ちゃんにかかりきり。
そうこうするうちに、ママが疲労で倒れてしまって、ママの弱音を聞いて気づいた。
私がママを助けてあげられること。弟と一緒に楽しめることがたくさんあること。
そして私は変わった。
いつしか弟にとって一番かけがえのない存在になっていた。
そんな私に向かってみんなこう言う。
わたしが おとうとと いっしょに いると、だれもがいつも こう いうわ「この あかちゃんって ほんとに しあわせね!」
実際に弟を持つ人の反応と父の反応
読み聞かせながら長男くんの表情を見ると、いつも絵本を読むときとは違って何とも神妙な面持ち。「うんうん、わかるわかる」「それ、長男あるあるだわー」「父ちゃん察してくれよ」とか思ってんのかな。
何かというと弟を大切にしろ!!(つい先日は「僕も3歳まで抱っこしてもらったのだから、弟も3歳までは抱っこしてあげるように」と命じてきた)と僕に言ってくる彼の横顔見てたら、父は泣けてきた。長男であることのある意味孤高な生き様に。そんな彼だが、昨日は「何故弟ばかりご飯の時に抱っこされているのだ!!自分も抱っこしろ!!」と泣き喚き、晩ご飯をハンガーストライキしてきたのだった。
難しい年頃だ。
あとがき
寝るときは兄が寝ている弟をヨシヨシしてくっついてたり、寝相が悪くて時には蹴り合ったり、朝になると弟が寝ている兄の頭をバシバシ叩いて起こしてあげたり、と仲の良い兄弟でいてくれて、父と母はほんとに幸せね!!って日々思うのだ。
こういうホロリとくる本もあるので、絵本は侮れない。
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