No Pain, No Gain

気がつけば不惑、それでも今日も絶賛迷走中。

妻から別れを切り出された時、口から出るのは陳腐な言葉

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photo by World Bank Photo Collection

 

好きな人が出来たの。だからもう一緒に暮らすことはできないの。ごめんね。

 
妻からの思わぬ一言。
何?どういうこと??
と聞き返したいけど、唐突すぎて驚きのあまり声が出ない。
何言ってんだよ、悪い冗談はよしてよ
と言おうとするも、空気が嫌に重くて言い淀む。目は泳ぐ。身体が強張る。
 
すると、銀縁の眼鏡をかけた細身の男がぬるりと滑るように彼女の隣にやってきた。
どーもどーもとか言いながら彼女の肩を抱くその動作はとても自然。
やっぱり現実なのか?なんでこんな事になってるんだろ?
僕が何か悪いことをしたのか?
鈍器で殴られたらこんな感じなのかな?というくらい頭がクラクラする。
 
君は幸せなの?それが君の望みなの?
気を取り直して問いかけるけれど、彼女はふふふふ...と微笑むばかり。
答える価値も無い質問ってことか。
何も知らない長男と次男は人形遊びをしている。
 
いや、よしんば君はそれでいいのかもしれないけど、子供達はどうなるんだ?
母がいない子供になってしまってもいいっていうのか?
彼女は僕の妻でもあるが母でもあるのだ。考え直すべきだと説得を試みる。
それでも彼女はふふふふ...と微笑み続け、代わりに男が大丈夫ッスと答える。
お前に聞いてないんだよ!何だよ大丈夫ッスって。何が大丈夫なんだよ。
そんな責任感のなさそうなヤツに子供達を任せられるわけないだろ!?
やめてくれよ、、、。辛い思いするのは子供達じゃないのか、、、。
大人の都合に子供を巻き込まないでくれ!
そもそも僕が一体何をしたっていうんだ、悪いところは改めるよ。
こんな悪夢、もううんざりだ。勘弁してよ!
 
 
 
 
ちょっと、どうしたの?長男くんが可哀想だよ。起きて!という妻の声で目覚めた。
寝る前には身体にかかっていたはずの掛け布団が抱き枕のように筒状になっている。
彼女によると僕はぎゅうぎゅう抱きしめて、ウンウン唸っていたらしい。
横を見ると、僕と一緒に寝ていた息子はふとんをはぎ取られて寒そうに寝ている。
子供に辛い思いをさせていたのはどうやら僕だったようだ。
 
夢の顛末を彼女に話すと、返ってきた答えは「そんなことないから大丈夫ッス」。
なんだか、ほっとした。
それにしても、修羅場で出てきた言葉があまりに陳腐で現実的なのが印象的。
 
こんな日もあります。
ではでは。

 

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